【OPEXセミナー】ラース・ゴズゥィック氏のインタビュー記事

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今回の、ゲストスピーカー、ラース・ゴズゥィック氏はGinkgo Management Consulting(以下Ginkgo)のファウンディング・パートナーです。Ginkgoはドイツ、ユーロ圏でもまさに注目のIT戦略専門のコンサルティングファームです。

ゴズゥィック氏はドイツの経済専門誌“Wirtschaftswoche”に最近インタビューされたそうです。速報でそのインタビュー記事のハイライト部分をご紹介します。

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Q1:デジタル化ビジネスにおいて、既存の大企業が、迅速に機敏に動くことが可能なスタートアップ企業と競争できるチャンスはありますか?

もちろんあります。成功した企業は何年もかけ自社のビジネスモデルを最適化しており、サプライヤーや顧客との関係の複雑なネットワークを持っています。例えば、知的財産のポートフォリオなどはそういえるでしょう。これらは貴重な資産になりうるものですが、企業は、過去の成功要因が将来においても成功をもたらし続けるかどうかを自問しなければいけません。多くの場合、こう問いかけることによって、ビジネスモデルやビジネスそのものを全く新しく作り上げなければならず、それには痛みを伴います。

その際、2つの尺度で計測されます。1つはベンチャー・キャピタルの尺度、もう1つはスタートアップとしての尺度、つまり一定の期間、スタートアップは投資に対する収益は期待できないという事実があります。大企業はスタートアップとは異なる条件を持っており、通常は投資をより迅速に回収するようプレッシャーをかけられます。それでも、全ての企業はデジタルの競争に参加しなければなりません。

 

Q2:多様な顧客を中心としたデジタルの転換において、各部門およびIT部門の役割はどのような役割を果たしますか?

 各部門とIT部門の連携モデルは根本的に変化しました。弊社の多くの顧客においては、部門が完全に統合されたチームがあり、組織内の境界が消えています。機敏さを必要とされるプロジェクトにおいては、IT部門と他の部門の間に密接な連携が必要です(理想は、顧客と直接同時に連絡を取れる状態)。それによって、迅速に解決策を見つけることができ、初期の失敗があっても、迅速に方向を決めて最適化することが出来ます。 ( MVP: 製品が価値を生み出すまでの時間を短縮するために製造される、顧客が求める最小限の機能のみを備えた製品)。「製品所有者」といった様々な分野を統合した役割が生み出され、2つの世界が結びつき、永遠に終わらない議論が不要になります。

この文脈において、IT製品の完成度とパフォーマンスのポートフォリオも変化しています。過去においては、開発サービスはしばしば外部委託されていました。今日では、迅速に仕事をするプログラマやIT技術者は、社内で雇われており、需要の多い重要な人材です。この「デ・レイヤリング」(間接的なサービス創造から直接的なサービス創造への変化)への発展は、多くの従業員にとって刺激的な変化になりうるものですが、それ以外の人にとっても挑戦となります。

 

Q3:企業のデジタルへの転換プロジェクトにおいて、最大の課題はどのようなものですか?

私たちの経験によれば、経営陣の関心が高いことと、従業員の積極性は非常に重要です。多くの企業において、会社のビジネスからは独立したデジタルの部門を構築し始めています。これは、他の部署と並列した組織形態である場合と、独立した「企業内起業」の場合があります。有効ではあるが問題を解決しない選択肢の一つにおいては、開発されたソリューションと昔からの組織の統合のために、操作性と拡張性のある業務を必要とします。このような統合は、技術的なインタフェース(例: API)によって解消することはできませんが、全てのレベル(技術、プロセス、考え方や文化)における、基礎的なプロセスの変更と、強力なチェンジ・マネジメントによって解消することができます。経験から言って、このような変化は多くの企業において時間のかかるものです。迅速なプロジェクトの管理方法論に関する研修が、独自の規則を持っていることが要素の1つ(氷山の一角)かもしれません。根本的な文化の変化は、はるかに複雑であり、残念なことに時間を要するものです。

最後に、デジタル化は口先だけの約束であってはならず、スタートアップの買収は「アリバイ」活動であってはなりません。

 

Q4:今後どのようなトレンドが重要になりますか?

 ITセキュリティ/サイバーセキュリティ、データ分析、複雑性管理は、デジタル転換の枠組みの中における、重要なトピックです。

 近年、ほとんどの企業でITセキュリティが無視されています。同時に、世界中のITインフラに対する攻撃が大幅に増加しています。 IoT(Internet of Things)とIndustry 4.0のコンセプトの実現化について考えると、エンド・ツー・エンドの厳重なセキュリティは重要であるだけでなく、企業の生き残りという観点でも必要なものであることが分かります。

 データ分析とビッグデータのトピックが価値を創出するようになりました。技術的な分析能力とバックエンドのインフラストラクチャは重要な進歩を遂げており、優れた出発点となっています。ここでの大きな課題は、達成可能な発見と企業における既存の業績モデルを結びつけることです。我々のアプローチは、常にビジネスニーズから出発し、トップダウンのアプローチを目指しています。費用のかかるビッグデータ・プラットフォームの構築から始めて、第二段階においてようやく利用方法(または事例)を定義するような、頻繁に遭遇するプロジェクトからは、我々のアプローチは一線を画しています。ここにおいては、明らかに転換が必要です。

 弊社のオートメーションプロジェクトとAI(Artifical Intelligence)ソリューションの開発において、今まで不十分にしか答えられなかった戦略的な質問が生じました。将来完全に自動化されるようになった複雑な世界を、誰が管理するのでしょうか。人工知能があるべき形でタスクを引き継ぐことが、どのようにして保証できるでしょうか。また、自己最適化アルゴリズムは、制御可能かつ制御可能であり続けなければなりません。

 

Q5:デジタル化の過程において、CIO(最高情報責任者)の役割はどのように変化しますか?

 CIOはプレッシャー下にあっても積極的でなければなりません。CIOは変化をもたらす人間で、デジタル化の推進役とならなければ何の評価もされません。ただの「IT運用者」という役割で満足してはなりません。

 

Q6:Ginkgoは変化し続けるコンサルティングへの要求を満たすためにどのようなサービスを提供しますか?

 Ginkgoは小規模なブティック・コンサルティング会社ですが世界中のプロジェクトに携わっています。 弊社のコンサルタントには、起業家精神と技術分野の知識と経験の強みに加えて、ビジネスプロセスの理解が必要要件とされています。

さらに、Ginkgo AnalyticsとGinkgo Cyber Securityという主要セグメントに高度に特化したサービスを提供する2つの独立した子会社があります。 これらの分野のプロジェクトとスタッフの要件は「マネジメント・コンサルタント」からは大きく異なるため、わたしたちは経営コンサルタントと協力しながら、独自の「エコシステム」(収益活動協調体制)を作る選択をしました。